日本の物流業界の未来を拓くー労働環境改善と構造改革-
日本の物流業界の未来を拓くー労働環境改善と構造改革-
私たちの暮らしの中で、必要なものを運んでくれる物流に携わる『ドライバー』は人々の生活に欠かせないエッセンシャルワーカーです。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、その重要性は改めて人々に認知されました。
さらに、テレワーク・リモートワークなどの在宅勤務が推奨され、外出を制限する人たちが増加し、ネットショッピングへの利用者は増えています。
そのような需要が高まる一方で、物流業界での『ドライバー不足』が深刻な問題となっています。
その原因として、生産年齢人口の減少や過酷な労働環境などがあげられます。
我が国の物流が直面する課題に取り組むべく、目指すべき方向性の一つとして、国土交通省は、『労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)』を掲げています。(※国土交通省ホームページより)
これは、生産年齢人口の減少や過酷な労働環境が続くことにより、物流サービスが提供できなくなる恐れがあるとし、『担い手がゆとりを持って働ける魅力的な産業に変貌し、担い手にやさしい物流』を実現することが必要であるとし、目指すべき方向性としています。
『労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)』の今後取り組むべき施策をいくつかご紹介いたします。
■トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備
商習慣の見直し、標準的な運賃の浸透、荷待ち時間の削減、ダブル連結トラック等の活用支援など。
■農林水産物・食品等の流通合理化
ストックポイント等の流通拠点の整備、卸売市場等における自動化・省人化(AI・ICTによるリモート商品管理・マッチング、AGVによる自動搬送)、標準化やパレット化の促進など。
■過疎地域におけるラストワンマイル配送の持続可能性の確保
貨客混載や共同配送の推進、ドローン物流の社会実装化など。
■新たな労働力の確保に向けた対策
女性、高齢者、外国人等の多様な人材が活躍できる職場環境の整備、オペレーションの定型化・標準化など。
(※参考資料:国土交通省『物流の現状と課題』『物流をとりまく状況と物流標準化の重要性』より)
国土交通省の施策からも窺えるように、物流業界での『ドライバー不足』を解決するためには、人手不足を補う人材とITによる物流システムの構築が必要不可欠です。
システム導入により、仕事の効率が上がりドライバーの負担が減ることで、過酷とされているドライバーの労働環境の改善や人材確保にも繋がると言えるでしょう。