カーボンニュートラルの実現へむけて~EUの取り組み~

カーボンニュートラルの実現へむけて~EUの取り組み~

カーボンニュートラルの実現へむけて~EUの取り組み~

地球温暖化が深刻化するなかで、世界ではカーボンニュートラルに向けた脱炭素化の取り組みが加速しています。

これは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から植林、竹林管理等による「吸収量」を差し引いた合計を実質的にゼロにすることを目指し、各国で様々な取り組みが行われています。

 

商用車リユース事業を行う企業として、カーボンニュートラルの実現にむけて、私たちができることをテーマに、今回は欧州連合(EU)の取り組みをご紹介いたします。

 

EUは現在、域内の温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で55%減らす目標を掲げています。

 

【排出量取引制度(EU-ETS)】

1992年の国連の気候変動に関する枠組みの協定(UNFCCC)のもとで締結された京都議定書のメカニズムに基づき、コスト効率的にEU圏内で二酸化炭素をはじめとする環境汚染物質(温室効果ガスなど)の排出量を減らすための取り組みとして2005年に排出量取引制度(EU-ETS)を創設しました。

これは、火力発電や鉄鋼・セメントなどの産業、欧州経済領域内の航空便などエネルギー集約産業を対象に、二酸化炭素の排出量に上限を設け、上限に満たない場合には排出枠を売買できる制度です。

 

これらの対策により、2020年のEU域内の温室効果ガス(GHG)排出は、1990年比で31%減となっており、2019年比では10%減と前例にない下げ幅を記録しています。

 

また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞による影響が大きかったとみられるものの、再生可能エネルギーへの移行などの脱炭素化政策による寄与も大きいとされており、特に、2020年のEU域内の発電におけるエネルギー源別の比率は、再生可能エネルギー38%、化石燃料37%、原子力25%と、再生可能エネルギーの比率が化石燃料の比率を初めて超えました。

 

【フィット・フォー・55】

さらに、2021年7月の欧州委員会(EUの政策執行機関)において、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を削減する目標を達成するため、環境対策の基本計画「フィット・フォー・55」を公表しました。

重要となるポイントは下記の通りです。

 

・排出量取引制度(EU-ETS)の取引対象分野を拡大し、新たに海運、建物、道路輸送を加える。

・現行のETSを強化し、航空機の無償割当てを削減。

・排出量の多い特定の輸入品に対して課金する炭素国境調整メカニズム(CBAM)の導入。

・2030年までに再生可能エネルギーを従来の32%から40%に引き上げる。

・エネルギー課税指令を改正し、船舶輸送と航空機への免税措置を廃止。

・2030年までに道路輸送による排出量を55%削減。

・土地利用と林業を含め、植林を促進する。

 

EUはこれらの計画をもとに気候変動への解決をはじめ、サステナビリティの分野においてルールメーカーになることを目指しています。

 

今回はカーボンニュートラルの実現にむけてEUの取り組みをご紹介いたしました。

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