物流業界における女性活躍推進への改革
物流業界における女性活躍推進への改革
人材不足の解決が急務である物流業界において、女性の活躍推進は必要不可欠です。
物流業界での男女比率は『男性:女性=8:2』と言われています。特に、トラックドライバーの占める女性の割合はわずか2.4%にとどまっています。
荷役作業などの重労働や長時間労働が当たり前というマイナスのイメージが強く、女性も働きやすい労働環境が整っていないことが女性の雇用が進まない原因とされています。
女性の活躍推進をはじめ、若手やシニア世代などさまざまな人たちが活躍できる業界として発展するには業界のイメージ改善、労働環境の整備が喫緊の課題となっており、そのための施策が進められています。
【荷役作業の軽減】
ドライバーとして重労働な作業としてあげられるのが、荷役作業(トラックから荷物を降ろし出庫するまでの一連業務)があげられます。
弊社が運営している、女性ドライバーを応援するプロジェクト『Truck Lady5』の現役女性ドライバーからも荷役作業が大変であるという声を聞くことがあります。特に現場での荷役作業が手作業になると体力が必要なため、女性が行う作業として大きな負担となります。
これらの課題解決のため、倉庫内作業の自動化・機械化が進められています。
箱詰めされた商品を決められた配置でパレット上に積み上げるパレタイジングロボットや磁気により誘導されて無人走行する運送用台車の無人運送車(AGV)の導入により、スタッフが荷役作業を行わなくてよいシステムができてきています。
また、アシストスーツなどの導入で、荷役作業の身体的負担を軽減させる対策も始まっています。
これらの対策により、女性だけでなくシニア世代の活躍も望めることや、作業時間の短縮による効率性アップ・荷役作業を安全に行える点なども利点として注目されています。
【勤務体系の見直し】
物流業界における人材不足の原因ともされるドライバーの長時間労働を解決すべく、トラックドライバーの働き方改革の施策として、自動車運手業務は2024年度からドライバー1人あたりの時間外労働が年間960時間に制限されます。
時間外労働時間に上限が設定されることで、労働時間への負担は軽減できますが、1人あたりの売上は減少することが考えられます。
会社全体の売上や利益を減らさないためにも、より多くのトラックドライバーを確保することが大切です。
そのためにも、時短勤務制度など多様な働き方の導入や福利厚生を充実させることが必要であり、子育てと両立して働きたいと考えている女性の雇用にも繋がります。
【施設環境の改善】
倉庫などの物流施設は、コストを抑えるために最低限の機能で無機質な建物であることが多く、古い建物や汚いイメージは働き手が集まりにくいとされています。
人材不足解決には従業員が居心地の良い職場環境を作ることが重要です。
特に女性の雇用を増やすためには、清潔な女性専用トイレや更衣室、休憩室の設置などが必要です。
今回は、物流業界の人材不足解決のために、女性活躍推進を進めるための施策をご紹介いたしました。
女性の比率が増えることにより、人材不足が解決されるだけでなく、これまでになかったアイディアや新たなサービスの創出など物流業界の活性化へと繋がることを期待しています。