第3シリーズ: 世界で3番目の起業家精神国「イギリス」

第3シリーズ:   世界で3番目の起業家精神国「イギリス」

第3シリーズ: 世界で3番目の起業家精神国「イギリス」

皆さん、こんにちは! ノミです。

今日は世界で3番目の起業家精神国「イギリス」について紹介していきます。

 

前回は世界で2番目の起業家精神国ドイツについて紹介しましたが、皆さん Entrepreneurship(起業家精神)の意味を覚えていますか?

復習のため、簡単に説明しますと、 Entrepreneurship(起業家精神)は単に新しい事業を立ち上げることだけでなく、イノベーションや市場のニーズに応じた新しい商品や技術を開発することを示します。

それではさっそく世界で3番目の起業家精神国であるイギリスについて見ていきましょう。

 

・世界で3番目の起業家精神国「イギリス」

2023年のGEMレポートによると、イギリスは 世界で3番目の起業家精神国としてランクインしています。イギリスにおける起業環境の総合的な質は、専門家による評価と2020年の全国起業環境指数(NECI[1])による測定で、5.0のスコアであり「十分満足できる」と評価されました。また、British Business Bank (BBB)のスタートアップローンプログラムは、2012年以来、10万5,000社以上の企業に10億ポンド(約2028億円)を超える資金を提供しています。このローンプログラムは2025年まで資金が確保されており、起業の重要な支援であり続けると言われています。
他にもイギリス政府では、Bounce Back Loan[2](バウンス・バック・ローン)制度、Help to Grow[3]プログラムの導入、全国成長ハブネットワーク[4]への継続的な資金提供などの対策を行っています。

このような制度によりイギリスは政府からの起業家支援が高いと評価されており、GEMのレポートによると「B2. 政府の政策:税金と官僚制度」のカテゴリーで一番高い評価を付けられています。

 

・イギリスの Entrepreneurship

Startups 100 Index は、Startups.co.uk が毎年発表するランキングで、英国のスタートアップ企業トップ100 を評価しています。これは、テクノロジー、金融、小売、ヘルスケアなど、さまざまな分野の革新的で急成長中のスタートアップ企業にスポットライトを当て、称賛することを目的としています。Startups 100 に含まれる企業は、革新性、成長の可能性、各業界への影響などの基準に基づいて評価され、このランキングはイギリスで最も期待されていて活気ある新興企業を示す目安です。
それではStartups 100 Index 2024年で紹介されたトップ5企業を紹介します。

1位:Unitary

データインフラストラクチャーの解決策を提供するスタートアップ企業。同社は、企業がデータ操作をより効率的に管理、および最適化できるよう支援することに特化しています。

2位:Lottie

アニメーションの作成と配信を専門とする企業。具体的には、開発者やデザイナーが高品質のアニメーションを Webやモバイル アプリケーションに統合できるようにするツールを提供しています。

3位:Maeving

簡単にフル充電できる革新的な電動バイクを製造する企業。

4位:KatKin

100%人間が食べられる品質の肉を使用して作られた猫の餌を開発する企業。同社の製品は天然の原料や持続可能な包装材料を使用していることが特徴です。

5位:Peppy

デジタル健康管理を専門とするスタートアップ企業。社員や従業員の精神的健康と身体的健康を改善およびサポートすることを目的としたプラットフォームを提供しています。

このように、世界で3番目の起業家精神国であるイギリスは斬新なアイデアを持つ企業が存在し、社会問題を解決しようとする姿勢が大いにあることがわかります。それでは、日本の場合はどうでしょうか?

 

・日本の Entrepreneurship – 注目の企業を紹介

oVice 株式会社(oVice, inc.)は、日本のデジタルテクノロジースタートアップ企業で2020年に設立されました。 oViceはバーチャル空間(メタバース)で、同僚と気軽に雑談やミーティングをし、ワークプレイスも簡単にカスタマイズできるプラットフォームを提供しています。そのため、世界中に拠点をもつ会社でも一貫した生産性を確保できます。

oViceは設立後に初めての資金調達を2022年9月に行って 3,200 万ドルを調達して以来、資金の確保に成功し続けています。今では、oVice は4,000社へのプラットフォーム導入を果たしています。

他にも、 FOOD CODE (アプリでしか買えない次世代カレー屋)やSeibii (スマホで自動車整備・修理を出張手配)、KiteRa (社労士の業務を効率化)など多くの企業が設立されていることから、日本は近い将来に世界でトップの起業家精神国になる可能性があるのではないかと私は思います。そのためには、さらなる政府からの支援や学校での起業家教育が必要となるでしょう。

 

以上、世界で3番目の起業家精神国「イギリス」についてでした。

次回のZEALコラムをお楽しみに!

 

 

[1] NEIC – National Entrepreneurship Context Index (全国起業家精神コンテキスト指数)ー英国の環境が他の国や地域と比較して、起業にどの程度適しているかを理解するために使用されている。

[2] Bounce Back Loanーイギリス政府が新型コロナウイルスのパンデミックによって経済的な影響を受けた中小企業を支援するために導入した融資制度。この制度は、特に小規模な企業が迅速に資金調達を行えるように設計されており、政府が保証人となることで、銀行がリスクを取って融資を行うことができる仕組み。

[3] Help to Grow ーイギリス政府が提供する中小企業支援プログラムで、企業の成長を促進するためのさまざまなサポートを提供。主にマネジメントとデジタル面でのサポートをしている。

[4] National Growth Hub Network(全国成長ハブネットワーク)ーイギリス全土にわたる中小企業やスタートアップに対して、ビジネス成長をサポートするための支援サービスを提供するネットワーク。

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