第2シリーズ:「香港」の環境問題とSDGs
第2シリーズ:「香港」の環境問題とSDGs
皆さん、こんにちは!ノミングアです。
株式会社ZEAL. TEAMは「リユースの力で世界の発展を支援し、世界と共に成長する」ことを目指しています。
リユース業界と言ったら皆さん、何を最初に思いつくでしょうか?やはりSDGsですよね。
今後のビジネスは日本国内だけでは完結しないことが増えていきます。そのためにも世界各国のSDGsへの取り組みについて知っておくことは、企業が海外に進出して活躍する上で大いに役立つでしょう。世界各国のSDGsについて知っておくことは企業が将来の海外事業で活躍する上で役立つでしょう。
そこで、今月のZEALコラムでは、世界各国のSDGsに関する現状、そして日本との違いなどについてご紹介していきます。今回は日本の中古車が多く走る香港の環境問題とSDGsについて一緒に学んでいきましょう。
・香港について
国際通貨基金(IMF)の推計によると、2023年時点で香港の人口は約750万人、面積は約1,100平方キロメートルです(香港島、ランタオ島、九龍半島、新界など261の離島を含む)。首都はなく、主要な都市は香港島の中心地である香港市。通貨は香港ドル(HKD)で、1米ドルは約7. 85香港ドルに相当します。公用語は中国語(広東語)と英語で、仏教、道教、キリスト教など多様な宗教が共存しています。
香港は、1997年に中華人民共和国の Special Administrative Region (特別行政区)として設立され、「一国二制度」のもとで高度な自治権を享受しています。経済は自由貿易と低税率、最小限の政府介入を特徴とし、世界第10位の貿易額を誇ります。主要な貿易相手国は中国本土で、サービス産業が中心です。
2022年の日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、日本から香港への輸出額は約69億ドルで、輸入額は約31億ドルです。これにより、日本は香港にとって重要な貿易パートナーとなっており、特に電子機器や輸送用機器が主要な輸出品目となっています。また、香港との貿易の中でも、日本製品は高い評価を受けているとされています。
・環境問題について
世界第10位の貿易額を誇る香港ですが、いくつかの環境問題を抱えています。神奈川大学アジア研究センターの共同研究グループが実施した、香港の環境保護団体に対するインタビューの結果によると香港は東京都の半分ほどの面積に700万人以上が住んでおり、経済発展に伴う環境問題(大気汚染、ゴミ・汚水処理など)が報告されています。さらに、中国大陸側の経済発展により、越境する大気汚染や水質汚染も深刻化しています。例として、1990年代以降のディーゼル商用車による大気汚染や、広東省の水質・土壌汚染などが挙げられます。
このような環境問題の原因は主に人口増加と都市化によるものと考えられます。これらを放置すると、様々な健康問題と衛生面上の問題が発生するため本格的に取り組む必要があります。そこで、香港がどのようなはSDGsに取り組んでいるのか見てみましょう。
・一番力を入れているSDGsは?
SDSN (Sustainable Development Solutions Network、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)香港は、具体的な成果につながる実行可能かつソリューションを目標に、以下のSDGsをネットワークの優先事項と見なしています。
今回は香港が最も力を入れている13番のSDGsである「気候変動に具体的な対策を」の3つの取り組みを紹介していきます。
- BEAM Plus in Schools Project:学校にBEAM Plus(香港グリーンビルディング評議会)の基準と評価方法を提供し、教師にトレーニングを行い、持続可能性についての教育プログラムを実施しています。
- ジョッキー・クラブ気候変動博物館:世界初の気候変動専門博物館で、インタラクティブな展示を通じて環境保護を学べる場を提供し、CUHK(香港中文大学)のエコツアーやワークショップも開催しています。一般公開されており、無料で利用できるほか、若い環境リーダーの育成にも力を入れています。
- CUHK 2038 カーボンニュートラル目標:効率的な照明や冷却システム、再生可能エネルギーを導入し、約200のエネルギー消費の見直しと節約を推進しています。
他にもCUHKとExeter大学の共同研究によると、肉の摂取を減らすことで農業由来のアンモニア排出が約20%、微細粒子が最大6マイクログラム減少し、中国で年間75,000件の早期死亡を防げることが明らかになりました。この研究は1980年から2010年までの中国の食料生産と消費の変化を分析し、肉の需要増加が空気質の悪化と関連する死亡率の上昇に寄与していることを示しました。この研究は世界初で、植物ベースの食事が中国の深刻な空気汚染問題の軽減策となる可能性を発見し、Nature Foodに発表されました。香港と中国の市民は、今後の食事面でもSDGsの取り組みに貢献できると考えられます。
・日本との比較
日本では石炭やガスなどの化石燃料を多く使っているため、温室効果ガスの排出量が世界で5番目に多い国となっています。そこで13番目のSDGs「気候変動に具体的な対策を」を元にいくつかの取り組みに励んでいます。まず、自動車メーカーが電気車両の普及を進め、温室効果ガスの排出削減に努めているほか、日本生活協同組合連合会は環境配慮型商品の「コープサステナブル」を提供し、持続可能な資源の利用を推進しています。また、ヤマトホールディングスや佐川急便など物流大手は低排出量車両(ハイブリッド車や電気自動車)の導入、自転車や台車を使って集配業務などを行い、グリーン化を進めています。
今後日本の政府は香港のように、学校や企業に対して地球温暖化のレクチャーや対策方法を解説し、持続可能性についての教育プログラムを実施してもいいかもしれませんね。
以上、香港の環境問題とSDGsについてでした。
次回のZEALコラムをお楽しみに!
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